2005年9月〜10月のレビュー

(タイトルの部分をアルバムは シングルはで表記してます)
Dragon Ash 「Rio de Emocion」
約2年ぶりのアルバムかな?その昔キングギドラにDisされた
時、確か「Dragon Ashは帰ってきたけど、kjはまだ
帰ってきていません」みたいな発言を、某3万字で大炎上させら
れる雑誌で発言していた記憶があるんだけど、このアルバムを聞
いていると、”kjが帰ってきた”というより、”降谷健志が戻
ってきた”という印象が強いです。アルバム全体を聞いていると、
前作のエレクトロニカ寄りだったものから、ラテンフレーバーが
入っているロックという印象があります。あと、Dubの要素が
入っている曲も多い。そしてDragon Ashにしては、ゲ
ストが多いな。という印象も。個人的に好きな曲は、降谷君の優
しさが溢れる歌声が印象的な「Cloverleft」少年合唱
団のコーラスも印象的な「朝凪Revival」ある意味、オル
ンタティブにこだわった結果、軸足がロックに戻ったのかな? 
平井堅 「POP STAR」
一言で言えば、思いっきり針を振り切ったな〜、と。ここまで、
ど真ん中のポップソングだった事に。80年代の歌謡曲を聞いて
いるかの様な錯覚をしてしまいました。この曲を聞いて思い出し
たんだけど、平井堅って結構シングルリリースで、挑戦的という
か、チャレンジ精神溢れる曲が多いな〜。(”君はともだち””
strawberry sex”とか)個人的には、バラードよ
りも、そういうタイプの方が好きなんですが。平井堅のアップテ
ンポ系の曲で、セールス的に成功したのは、もしかしてこれが初
めてなのかな!?ここまで、針を振り切った事にカッコ良さを覚
えてしまいました。                    
水樹奈々 「ETERNAL BLAZE」
なんとこの曲、オリコンチャート初登場2位!!声優系アーテ
ィストとしては、最上位を記録した訳で。(まさか、林原めぐ
み・TWO−MIXを超えるとは・・・。)ただ、この曲の初
回売り上げ枚数は約2万枚みたいで・・・。ダンスサウンドに
乗せて、切迫感のあるメロディーに乗せて歌っているんですが、
歌声は、前にも書いたと思うんだけど、はっきり言って声優さ
んだとは思えない歌声。っていうより、そこら辺のアイドル、
シンガー、アーティストより上手いです。(声優さんだから、
当たり前なんだろうけど)個人的にオリコン20位くらいから、
いわゆるコアからマスへ!!というイメージがあるんだけど、
約2万枚の数字だけをみると、コアからマスへ。という感じよ
り、コアな人が順当に購入して、気がついたら2位だった。と
いう考え方の方が正しいのかな?でも、この人の歌声は、チャ
ート系の番組を見て、少なくとも”レンタルしてみようかな?”
と思わせるものがあります。あと、いわゆるハロープロジェク
ト系の人達の勢いが無くなってきたな、と。再び声優系の人達
にスポットが当たっていきそうな気配が・・・。(少なくとも
2、3年後あたりに。何となくですが)          
加藤ミリヤ 「ジョウネツ」
4stシングルは、UAの「情熱」をサンプリング。今でも好
きな元彼に対してのやりきれない事、吹っ切れない事を、とて
も切ない歌声で歌っているんだけど、今までリリースしてきた
シングルの中では、これが1番の出来だと思います。ある意味
で、背伸びをしていない。というか、等身大の歌詞が良いです。
ただ1つだけ思ったのは、サンプリングするな。とまでは思わ
ないけど、UAの歌声はいらない様な?折角良い歌詞を書いた
のに・・・。使うにしても、もう少し加工した方が・・・。と
思いました。                      
音速ライン 「逢瀬川」
最初聞いた時、GOING UNDERGROUNDを彷佛と
させるギターロックの様に感じました。ただ、GOING U
NDERGROUNDと違って、切なさみたいなものを感じま
したが。個人的には、もう少し哀愁感のある、オルタナティブ
な感じにしたら、もっと良い感じになると思うんですが。  
ASIDMAN 「季節の灯」
ここ最近のシングルでリリースされてくる表題曲は、基本的に
ミディアム〜スローテンポな曲で勝負してくるASIDMAN
なんですが、この曲は「リピート」以来の当たりな曲なんでは
ないでしょうか?「リピート」以降の曲は、どこかグダグダな
感じがするんですが、この曲はアコースティックで優しい手触
りなサウンドで、Vo.の歌声も最初は優しい感じなんですが、
中盤ぐらいから、サウンドが少しずつオルタナティブ寄りにな
るにつれ、Vo.の歌声も狂気に満ちてくる様になります。よ
く考えれば「リピート」が、グダグダにならず最後まで聞けた
のも、Vo.の歌声が優しさがありつつも、狂気に満ちている
感じが、最後まで聞けたんだと思います。ACIDMANがミ
ディアム〜スローテンポな曲をやる時、どれだけVo.の狂気
さを引き出せるかが、今後の課題になると思います。    
faith 「SWEET DAY」
2ndシングルは、ヒップホップトラックに、クラシックのエ
ッセンスを取り入れた作品。クラシックのエッセンスが入って
いるからか、とても気品を感じられます。いわゆるVo.&R
AP系(今ならBENNIE Kタイプと言えば早いのかもし
れないけど)は、どれだけシンガーとMCがバランスを取れる
かだと思うんですが、個人的には、前にも書いたと思うけど、
非常に魅力的で見守っていきたいと思うVo.&RAP系のユ
ニットです。ただ今回のラップの方は、ちょっとバイリンガル
臭かったのがちょっと気になったんですが・・・。     
mihimaru GT 「Love is...」
久しぶりにVo.の女の子の歌声を聞いた様な気がします。ち
ょっと切ないリリックがとても印象的です。会えないもどかし
さみたいなものを感じました。個人的に非常に好印象だったの
が、ラストの歌とラップの同時進行。Key of Life
の「ASAYAKEの中で」を思い出してしまいました。  
柴田淳 「Single Collection」
柴田淳、初のベストアルバム。デビュー曲「ぼくの味方」から、
最新作「幻」までを、リリース順に並べて収録されています。
アルバムを聞いていると、デビュー曲である「ぼくの味方」は、
とてもポップな曲。というより、この曲だけがポップでしかも
明るめな曲。後は切ない曲ばかりなんですが・・・。それでも、
「それでも来た道」から「ため息」までは、柴田淳の切ない世
界&歌声と、ポップな感じが上手く融合していて、「あなたと
の日々」で、それが1つの到達を迎えたのではないでしょうか?
その後の曲からは、自分の世界を深化、もしくは内省的な世界
へと向かっていた様に思います。このベストアルバム聞いてい
ると、ある意味同じ曲調だな〜、と。(私は大好きなんですが)
「あなたとの日々」以降の曲で、もうちょっと冒険した方が良
かったのでは?と、思ってしまった訳なんですが。(アルバム
”ひとり”に収録されている”少女”や、”ため息”に収録さ
れている”拝啓、王子様☆”とか)前者は、いわゆるオルタナ
適性がある歌声だと披露したし、後者は、ど真ん中のポップソ
ングも作れる。というアピールにもなったし。これは、今思っ
た事なんだけど、柴田淳って”アーティストとは、こうあるべ
き!!”というのを、良くも悪くも追求している様な・・・?
肩ひじ張りすぎている様に思えてしまいます。もう少し、遊び
心という物もあった方がいいのでは!?