2006年1月〜2月のレビュー

(タイトルの部分をアルバムは シングルはで表記してます)
VOLA&THE       「WAITING FOR  
   ORIENTAL          MY FOOD」
         MACHINE
ZAZEN BOYSを脱退したアヒトイナザワ率いるVOLA
&THE ORIENTALMACHINE。(NUMBER 
GIRLをやっていた時、田淵ひさ子と、中尾憲太郎と3人で”
VOLA FC”というバンドをやっていた記憶が?)アヒトの
新バンドという事で非常に期待していたんですが、このバンドで
のアヒトの立ち位置は、Vo.&ギター。アヒトの歌は上手いの
は知っているので(NUMBER GIRLのDVDで聞いた事
あるので)聞いてみたいと思うんだけど、ドラムは叩かないんで
すか!?アヒトのドラムが好きな人間なんで非常にがっくり・・・。
このアルバムを聞き終えての感想を一言で言うなら、予想外に良
かった事にびっくり!!サウンドもとてもかっこいい!!アヒト
の歌声が狂っている感じが好きです。個人的に気に入っているの
は、アヒトがこれからバンドのフロントに立つ事の決意表明みた
いに感じた「Priciple of machine」歌詞、
サウンドともNUMBER GIRLを彷佛とさせる感じの「N
AGERI TO KASUPPA」終始狂っている感じがした
「Song of Ruin」このアルバムを聞いて、VOLA
 AND THE ORIENTALMACHINEのこれから
の課題、それはアヒト自身にあると思います。その課題とは、こ
の1stアルバムで見せた初期衝動をいつまで保つ事が出来るか?
あそこまでアヒトの歌声が狂っていたのは、初期衝動が為せる技
だと思うんですよ。果たして、これが2枚目、3枚目となった時、
この衝動を保つ事が出来るのか?バンドのフロントに立つ事は、
バンドの方向性に責任を持たないといけないと思います。そのフ
ロントに立ったアヒトイナザワに非常に期待しています。   
ZAZEN BOYS 「ZAZEN BOYS III」
ZAZEN BOYS3枚目のアルバム。そして、アヒトイナザ
ワ脱退後、新ドラムス、松下敦加入後初アルバム。アルバムを聞
いた感想は、1枚目の「ZAZEN BOYS」が深化した形が
このアルバムなんだな。と思いました。もしくは、「ZAZEN
 BOYS」でやりたかった、具現化したかった事が、このアル
バムでようやく見せる事が出来たと。1st、2ndアルバムと
比べてサウンドが、とても削られている気がします。その分、余
分な所は一切ない感じがします。それと、新ドラムスの松下敦の
ドラムによって、新たな1面を見せる事が出来たのでは?(”F
riday Night”の安定感溢れるドラム。これは、アヒ
トのドラムでは想像できません)このアルバムで1番印象に残っ
た曲は?と言えば、やはり「METAL FECTION」でし
ょう。あんな曲、想像できません!!初めて聞いたのはライブだ
ったんですが、あまりにも衝撃的すぎて・・・。一言で言えば、
ロック浪曲なんですけど。向井秀徳は、良い意味でも悪い意味で
も、リスナーの予想を大きく外れた所に行くのが、聞いていて面
白いです。                        
東京事変 「大人」
東京事変の2ndアルバム。第2期東京事変としては最初のア
ルバムと言った方が正しいのかな?実は第1期メンバーで脱退
した、ギターの昼海幹音、ピアノのH是都Mが抜けた事を知っ
た時、”もしかしたら、これからの東京事変は、3ピース”と
正直期待していたんですが・・・。椎名林檎がスタンドマイク
とギターに締め付けられて衝動を叩きおろしながら歌う姿を見
て見たかったんですが・・・。新たにギターとキーボードが加
入して再び5人体制。個人的にちょっと残念。今回のアルバム
のコンセプトは、”椎名林檎の音楽履歴を赤裸々にする”らし
く、その結果、ロック以外に、ジャズ、シャンソン、ブルース、
と幅広い感じになっています。その結果、東京事変の2ndア
ルバムって感じがしない内容になってしまいました・・・。ど
っちかと言えば、”椎名林檎の4thアルバム”って感じ。「
加爾基 精液 栗ノ花」を得て、再びロック(ポップ)フィー
ルドに戻ってきた椎名林檎の4thアルバム」という紹介文を、
どこかのCDショップが書きそうな感じのアルバムです。「無
罪モラトリウム」が好きな人にとっては、ど真ん中な感じのア
ルバムだと思うんだけど、前作「教育」で、これでもか!!と
いう程、初期衝動を叩き付けての2ndアルバム。としては・・・。
と思ってしまいました。正直、次はどんな感じで攻めてくるん
だ!?と思っていたので・・・。”東京事変の2ndアルバム”
としては、拍子抜けなんだけど”椎名林檎の4thアルバム”
としては、さっきも書いたと思うけど、あの「加爾基 精液 
栗ノ花」から、ここまで帰ってきたんだ!!と拳を挙げるくら
いの内容だと思います。(両方とも、元は同じだから仕方ない
と言えば仕方ないけど・・・。)             
ストレイテナー「Melodic Storm」
去年、一昨年くらいから、このバンドの名前をよく聞きます。
もしかしたら、ネクストブレイクが期待出来る位置にいるバン
ドなのかな?ただ、私的には、ZAZEN BOYSのベーシ
スト”日向秀和”が、もう1つバンドをしているのが、このス
トレイテナーだったので、1度聞いてみなくては!!と思った
んですが。聞いてみた感想は、タイトルがタイトルだけにとて
もきれいなメロディー。あと、前向きな歌詞が非常に印象的で
した。この曲だけ聞くと、正統派な(ポップロックな要素を兼
ね備えた)バンドスタイルという印象を持ちました。”日向視
点”から見ると、ZAZEN BOYSの変拍子路線と、スト
レイテナーの正統派路線は、心のバランスがとれている。とい
うか、物凄い両極端だからかけ持ちができるのかな?と。路線
が180度違うから、やっていて楽しいのかもしれないけど。
         
ACO 「mask」
「irony」から3年ぶりのアルバム。当初この「mask」
というタイトルは、ベストアルバムの予定だったんですけど。
「irony」から、どこまでポップに戻ってくるのか?それ
とも、さらに尖った作品になるのか?注目していたんですが、
ポップに戻ってきたアルバムになっていると思います。あと、
個人的に注目だったのが、デビューシングルの「不安なの」の
New Ver.。果たして今のACOのスタイルになってい
るエレクトロニカと融合出来るのか?と思ったんですが、アル
バムに収録されている曲で、1番良かったと思いました。AC
Oのけだるい歌声と、切迫感あるベースラインが特徴的なエレ
クトロニカサウンドが上手く融合していると思いました。「不
安なの」が、ここまで良いんだったら、3rdアルバム「La
dy Soul」に収録されている「CAT WALK」をエ
レクトロニカVer.で聞いてみたいな。と思いました。基本
的には、前作「irony」と同じく、エレクトロニカサウン
ドに、ACOの神々しい歌声が溶け合っていく感じがしました。
ただ、「irony」と違う点を挙げるとするならば、さっき
も書いた様に、ポップに戻ってきた事。もう1つあるとするな
らば、メロディーに力強さを感じた事。ACOがポップに戻っ
てくる気が本当にあるならば、ど真ん中のポップソングを作っ
てきて欲しいな。と思うんですが。(詞、曲とも)     
toi teen!? 「ともだち」
都内でストリートライブ等をして活動している、女子高生ゴス
ペルクワイアの1stアルバム。元々ソロシンガーとしてデビ
ューした彩乃(toi teen!?では”Ayano”名義
でやっているみたいです)が、同じ年代の人達と音楽活動をし
たい。という事で結成された記憶があります。最初ソロワーク
と並行した形でのサイドワークなのかな?と思っていたんです
が・・・。(個人的に、ソロで2枚リリースしていたので、あ
と1枚シングルをリリースをしてから、アルバムだな。と非常
に楽しみにしていたんですが、まさかの展開にびっくり!!)
アルバムを聞いてまず思った事は、Ayano以外でもソロを
歌っている人がいるのにびっくりしました。Ayano以外の
メンバーは基本的にコーラスなんだけど、良い意味でも悪い意
味でも素人臭い感じがしました。ただ、そう感じる分だけ、音
楽をやる楽しさ、歌を歌える事の喜びみたいな物が伝わってき
ました。全体的な印象的としては、手作り感溢れるアルバムに
仕上がっていると思います。(素朴というか、優しい暖かさと
いうか)toi teen!?という視点から見ると、「to
i song for you」が1番良かったと思います。
とてもコーラスワークがきれい。聞いていてうっとりしてしま
います。Ayano視点から見ると、「約束」「ともだち」彩
乃2ndシングル「知りつくしてほしい」よりも、歌唱力が上
がっていると思います。特に歌声に情感をきちんと乗せている
所。”10年に1人の逸材””亜羽根綾乃以来で10代シンガ
ーで凄い”と思わせただけの事はあるなと。課題はコーラス陣
のコーラスワーク。良い意味で素人ぽさを残して、スキルアッ
プしたらもっと良くなるのでは?             
        
faith 「Letter To The Future」
これがfaithの1stアルバム。いわゆるクラシックサウン
ドとヒップホップトラックが融合した形を目指した感じのアルバ
ムになっているんだけど、そういう感じよりかは、純然たるヒッ
プホップトラックの方がfaithの魅力を引き出している様に
感じました。(特にラップ担当の方)あと、これは個人的な好み
なのかもしれないけど、ヴァイリンガルなラップがあんまり好き
になれません・・・。ただ個人的には面白いと思うユニットだと
思います。いわゆるクラシックの上品さとヒップホップのいかが
わしさをどれだけ上手く融合出来るか?私が聞いた感想はという
と、クラシックの上品さの方が勝っているかな?これでもっと、
良い意味での下品さが混じったら、とても良い作品になりそうな
気がするんですが?ちなみにfaithの所属レコード会社って、
スターチャイルドレーベルでおなじみにキングレコードだったん
ですね。今知りました。                  
東京スカパラダイスオーケストラ「サファイアの星」
第2期スカパラ歌もの3部作と言えばいいんでしょうか?その第
2作目は、歌もの初の女性アーティストCHARAを起用。スカ
パラサウンドと、CHARAのいわゆる癒し系な歌声とどうゆう
風にマッチするのかな?と思ったら、えらいCHARAファンキ
ーな歌声で歌っているじゃないか!!びっくりしました。まるで
「無人島に私をつれてって」「罪深く愛してよ」「私なんで抱き
しめたいだろう」を彷佛とさせる様な歌声。まだCHARAって
こんな歌い方できるんだと。そういえばスカパラの歌ものって、
アーティスト本来の魅力を引き出してくれるというか、再び蘇ら
せてくれるというか。(オリジナルラブしかり、奥田民生しかり)
これを機に、再びCHARA名義でもファンキーな部分を見せて
ほしいと思いました。                   
Crystal Kay 「Call me Miss...」
もうこれでオリジナルアルバムとしては6枚目なんですね。ち
ょっと驚いてしまいました。一言で言えば、「4REAL」の
次のアルバムって、本当はこんな感じなんだろうなと。前作「
Crystal Style」が、良い意味で非常に尖った作
品だったので、このアルバムがリリースされる前は、どんなア
ルバムになるのか期待していたんですが。けして悪いアルバム
ではないと思います。「4REAL」が、Crystal K
ayの初心者向けアルバムとしたら、このアルバムは、「4R
EAL」よりもワンステップ進んだ感じのアルバムになってい
るし。もしかしたら、このアルバムでCrystal Kay
は、ポップとR&Bに対しての距離の取り方が分かったのかな
?個人的に好きな曲は、「637」が好きな人間にはたまらな
い感じのR&B「Kirakuni」そして自らの曲「Mat
herland」をサンプリングした「fly to you」
個人的にこのアルバムで1番ガックリ来た事、それはT.KU
RAプロデュースの曲がなくなってしまった事。「Girl’
s Night」で、Crystal Kayを好きになった
人間にとっては衝撃的な出来事でした・・・。       
嶋野百恵 「abstract career」
嶋野百恵のベストアルバム。いわゆる音楽雑誌でR&BDIV
Aと呼ばれる前にデビュー。そういう風に呼ばれはじめた頃、
”ポストMisiaの1番手”と言われたんですが・・・。い
わゆるR&BDIVAと言われた人達は、(DOUBLE、T
ina、傳田真央、Sugar Soul、Aco、SAKU
RA、etc...。)いわゆる本格指向だったのに対して、
嶋野百恵は逆に歌謡曲テイストを取り入れた曲が多かった様に
思います。歌謡曲テイストなので、個人的に物凄くツボな曲と、
これは「・・・」という曲の差が激しかったんですが。ただ、
今のDIVA系と聞き比べると、歌謡曲テイストではあるけれ
ど、けしてポップすぎない。(リスナーに媚びていない。と言
えばいいのかな?)あと、今聞いて思ったけど、結構ソウルフ
ルな歌声だったんですね。DIVAブーム(みたいなもの)だ
った時は、どっちかと言うとあっさりとした歌声だな。と思っ
たんですが。(それだけ、今のDIVA系の歌声がポップにな
っている。ポップに媚びている感じが)今でも「baby b
aby Service」「45℃」(この2曲はリミックス
みたい)「Hot Glamour」が、まったく色褪せてい
ない(セピア色になっていない)事にびっくりしてしまいまし
た。(新たに収録されている”ためらいの糸”しっとりしたミ
ディアムテンポな曲。ちょっと切な目で憂いのある歌声がいい
です。で、歌詞カードのクレジットを見ていたら、Michi
coさん、コーラスしていたんですね。”baby baby
 Service””apple””45℃”初めて知りました)
倖田来未 「今すぐ欲しい」
12週連続リリース第9弾のシングル。12週あったら、カバ
ー曲、だったりコラボレートは確実にやってくるだろう。と思
っていたんですが、まさか「今すぐ欲しい」をカバーしてくる
とは、まったく予想できませんでした。この「今すぐ欲しい」
は、Sugar Soulの名曲なんですが。(元々、Sug
ar Soulは、Vo.:Aiko・MC:ZEEBRA・
そしてDJ.HASEBEのユニット編成)そして、この「今
すぐ欲しい」その当時は、「ラジオオンエア禁止曲」だったら
しく、(確かQuick Japanにそんな記事が載ってい
ました)正直ラジオでオンエア出来るのか?と思ってしまった
訳なんですが。聞いてみると、予想以上に倖田来未と「今すぐ
欲しい」がマッチしているじゃないですか!!きちんとエロイ
部分も表現しているし。ちょっと気になったのは、曲中盤にZ
EEBRAのラップがあるんですが、ラップはZEEBRAじ
ゃなく、倖田来未自らやっているんですね。残念・・・。それ
以上に、ラップリリックこんなんだったっけ?と思ったら、ラ
ップリリックはHeartsdatesのJewelsが新た
に書き下ろしているんですね。倖田来未自らがラップしている
訳だから、必然的に女目線でのリリックじゃないといけなくな
ってしまう訳なんですが。ただ、この「今すぐ欲しい」見事に
歌いこなした訳なんですが、もっとオリジナル曲でインパクト
がある曲が欲しいなと。オリジナル曲よりもカバー曲の方が良
いというのは、アーティストとしてはどうなのか?とちょっと
思ってしまったんですが。(倖田来未の代表曲は。”キューテ
ィーハニー”というのはちょっと・・・。)
三浦大知 「D−ROCK with U」
やっと出ました!!三浦大知のソロ1stアルバム!!復活ラ
イブを見て以来、いつリリース(ドロップと言った方がもしか
したら正しいのかな?)されるのか楽しみにしていたんですが。
正直言って、もっとポップな仕上がりになるものだと思ってい
たら予想以上にソウルフルじゃないですか!!とても男臭い感
じの歌声と言えばいいんでしょうか?良い意味で裏切られてし
まいました。特に1曲目の「I’m Back−the th
eme of D−Rock with U−」から3曲目の
「No Limit」で、がっちりとハートを掴まれてしまい
ました。後半はミディアムテンポな曲が多いんだけど、ここら
辺をもっと攻めた感じの曲が欲しかったかなと。でも復帰第1
弾としたら上出来の内容だと思います。