2007年3月〜4月のレビュー

(タイトルの部分をアルバムは シングルはで表記してます)
石野田奈津代「わたしのうた」
ソロと(いしのだなつよ時代の「ひまわり」から)しては8年ぶ
りですか。石野田奈津代名義では初のアルバムです。(kicc
aを入れると4年ぶりです)1年前にリリースしたコンセプトC
Dを得てのアルバムという訳なんですが。8年前のアルバム「ひ
まわり」と比較して1番変わったのはどこか?と言われれば、歌
声だったという感想を抱いてしまった自分自身に非常に驚いてい
ます。8年前は”汚れを知らない、まっすぐで明るい歌声”だっ
たのが、8年間でいろんな経験、挫折をした事によって”情感溢
れるくすんだ色合いを持つ歌声”の様に感じてしまいました。汚
れた事で会得したものもあるんだという感じの。あとアルバムに
収録されている歌詞全体に言える事だと思うんですが、”出会い
と別れ”あと”光と影”を感じてしまいました。胸が高まる想い
があっても、いつかは終わりが来るんだと悟っているかの様な世
界観と言うんでしょうか?そういう風なものを感じました。個人
的に好きなのは、胸キュンなメロディーなのに歌詞は切ない感じ
の「バラ色」CDショップの試聴機で音楽を聞いていたら、ふい
に好きな人の事を思い出してしまい切ない気持ちになってしまっ
た「運命の人」これから、どういった活動をする(気持ちのアッ
プダウンが激しい人みたいなので)か分からないけど、頑張って
ほしいと思います。                    
松たか子 「Cherish You」
松たか子1年ぶりのアルバム。正直言ってこのアルバムは結構期
待していたんです。「明日、春が来たら」の新Ver.。そして
GOING UNDERGROUNDの松本素生が楽曲提供。こ
の2点だけでも非常に購買意欲をそそられてしまいました。特に
後者の方には物凄く。松たか子の良い意味でのぬるま湯な感じの
歌声と、松本素生が作り出す胸キュンワールドが混じりあった時、
果たしてどんな化学反応が起きるのか?と思い期待したんですが。
で、アルバムを聞いた感想なんですが、前半部分と後半部分で評
価が二極化してしまいました。まずは前半部分、正直言って女優
のサイドワークと言われてしまっても文句は言えない出来です・・・。
前半部分は他アーティストの楽曲(GOING UNDERGR
OUNDの松本素生の楽曲も入っています)を歌っているんです
が、曲と松たか子の歌声がまったくはまっていなかった事にびっ
くりしてしまいました。というより・・・。(以下自主規制です)
そして後半(「Cherish You」〜)部分は松たか子作
詞、作曲の作品が多いからか、曲と松たか子の歌声が上手くマッ
チしていました。個人的には「リユニオン」(竹内まりや作詞、
作曲)のウィスパーボイス気味に歌っている部分と「おやすみ」
(小田和正作詞、作曲)のとても穏やかで優しく歌っている所が
好きです。それにしても小田和正の楽曲とは相性バツグンですね。
(「ほんとの気持ち」も良い曲!!)このアルバムで1番痛感さ
せられたのは、シンガーとしては、とても癖がある人なんだなと。
(ここまで合う合わないがはっきりしているとは・・・。松本素
生と合わなかったのが個人的に非常に残念だった・・・。)  
REBEL FAMILIA「GUN OF RIDDIM」
前作から約3年ぶりのアルバム。前作「SOLIDARITY」
は、非常にノイジーで攻撃的だったサウンドを鳴らしていたアル
バムだったんですが、今回は全体的にDub特有の浮遊感あるサ
ウンドが中心に構成されている様に思います。まぁ〜、それでも
REBEL FAMILIA特有のノイジーで攻撃的な感じのす
るDubサウンドなんですが。個人的に1番印象深いのは、ダン
スホールレゲェーの「Musical Terrorist」R
EBEL FAMILIAのレゲェーに対する意思表示、レゲェー
愛、音楽シーンに対する宣戦布告の様に捉えたんですが。非常に
乗りが良くてポップな曲なんですが、そういう風に受け取ってし
まいました・・・。                    
faith 「INVENTION」
前作から1年ぶりのアルバム。このアルバムは2部構成になって
います。前半は”Clasic meets HIPHOP”の
キャッチコピー通り、弦楽器の優雅で高貴な気品溢れるトラック
に乗せて。後半はいわゆるHIPHOPに舵を切ったトラックが
中心。前半部分は本当に聞いていて気持ちが良いです。HIPH
OP用語で言えばドープ(素晴らしい)なんですが、個人的には
もうちょっとキャッチーさが欲しいかなと。聞いていて気持ちが
いいんですが、良くも悪くも音世界が深いというか。サンプリン
グものでクラシックの良さを引き出しつつキャッチーな作品を聞
いてしまったので、そう思ってしまったのかもしれないですが。
逆に後半部分は、faithの下品でどう猛な部分を見せている
気がします。それが逆にとてもキャッチーな感じがするんですが。
「この手の歴史」「Feel」「THE SCORE」「Get
 Crazy」が、聞いていてfaithのまた違った魅力を引
き出している様に思うのですが?HIPHOPトラックでのfa
ithの魅力をどうやって、クラシックの音色に上手くフィード
バックするか?というのが今後のfaithの課題だと思います。