2008年1月〜3月のレビュー

(タイトルの部分をアルバムは シングルはで表記してます)
加藤いづみ 「favote」
加藤いづみ初のカバーアルバム。今回のアルバムは妊娠中に制作
されたからか、歌声がとてもハスキーな感じがします。あと、良
い意味でも悪い意味でも肩の力を抜いて歌っている様な。本当に
リラックスして歌っているというか。個人的に好きなのは、村下
孝蔵の「初恋」と、はっぴぃえんどの「風をあつめて」いづみさ
んが思い入れたっぷりに歌っているのは、レベッカの「フレンズ」
かな?この曲だけはオリジナルの曲を歌っているかの様な情感た
っぷりに歌っている感じがしました。自分の思い入れを込めて歌
っているというよりかは、その曲を作った人に対して敬意を表す
かの様な歌い方の様に思いました。             
faith 「faith」
faithの3rdアルバム。前2作と違って非常にポップな仕
上がりになっていると思います。前の2作はクラシックとヒップ
ホップが別々の方向に向いている感じで、アルバムを3回聞いて
初めて良さが分かる感じのアルバムになっている感じがするんで
すが。今回のアルバムはクラシックとヒップホップというある意
味反対に向いている要素をポップを上手く使ってまとめ上げた感
じがします。全体的にどの曲もとても良いんですが、1曲挙げろ
と言われれば、「旅人達の行進」クラシックの清らかさ・気品さ・
気高さ、ヒップホップのワイルドさ・泥臭さ・ある意味において
の下品さ、そしてポップスとしてのキャッチーさ。上手く1つに
まとめ上げているんですね!!この曲はクラブのフロアでも通用
するし、ポップスとしてもありな感じだし、これが新しいクラシ
ックだと言われても納得できそう!!ある意味において「CLA
SSIC meets HIPHOP」の1つの到達点に達した
のではと。今回のアルバム、私がfaithの音世界に馴染んで
いるという点を差し引いても、最高傑作が生み出された様な気が
します!!過去2作はある意味、リスナーを突き放した感じのア
ルバムになっていた様な気がしたので。           
石野田奈津代 「春空ーハルソラー」
再びソロに戻ってから初めてリリースされた作品。「sandg
lass」からだと約8年ぶりですか。この曲で1番印象的だっ
たのは歌詞でした。石野田奈津代の書く歌詞は基本的には自分自
身の心情を描いている様に思うんですが、今回の曲は初めて他人
の事を想って歌っている様な気がしたんですが?初めてこういう
感じの歌詞の曲を聞いたので正直驚いてしまいました。    
チャットモンチー 「キラキラヒラク秘密ノ扉」
2ndアルバム「生命力」リリース後の初めてのシングル。1s
アルバム「耳鳴り」〜「生命力」の間にリリースされたシングル
はよくも悪くも”ポップでキャッチー”な作品だったんですが、
この曲はロックモード全開!!と言った感じに仕上がっている感
じがします。サウンドとメロディがとても浮遊感溢れる感じなの
が印象的です。個人的にはc/wの「ドッペルゲンガー」の出だ
しの変拍子感な感じが好きなんですが。”ポップでキャッチー”
なチャットモンチーも良いんですが、個人的にはこっちのロック
モード全開なチャットモンチーの方が良いかな。       
佐藤竹善 「CORNERSTONES          
        INTERNATIONAL        
           MIX on the floor」
佐藤竹善のカバーアルバム「CORNERSTONES」シリー
ズ初のリミックス集。こちらは洋楽Ver.個人的にはクラブD
Jの手によって、竹善の歌声が良い意味でいろいろいじられてい
るという印象があったんですが。それ以上に前半部分はオリジナ
ルサウンドを尊重しすぎている感じが?果たしてこれがクラブフ
ロアで映えるのか?と思ってしまったんですが。後半の「Las
t Christmas」からは、充分にクラブサウンドになっ
ている感じがします。後半部分に収録されている曲は竹善の歌声
とクラブサウンドが上手く溶け合っている感じがします。個人的
にはもうちょっと尖っているサウンドを期待していただけに、思
っていた以上にポップなサウンドが残念でした。       
佐藤竹善 「CORNERSTONES          
          DOMESTIC MIX       
             at the lought」
こちらは邦楽Ver.。個人的にはこちらの方がクラブフロアに
映えそうな気がするんですが?オルタナティブな印象の「ama
nogawa」見事なまでにフロア対応の曲に変貌を遂げた「ロ
ビンソン」非常に高揚感のある「生まれ来る子供たちのために」
クラブジャズテイストに仕上がった「始まりはいつも雨」こんな
曲達をクラブフロアで聞いて踊ったら、とても気持ちいいだろう
なと思います。                      
佐藤竹善 「LIVE WITH the        
           CORNERSTONES’07」
こちらは「LIVE WITH the CORNERSTON
ES 2007」を収録したライブアルバム。いろんな意味でプ
ロのミュージシャンの凄み、そして年輪を重ねたものだけにしか
到達できない味というものを堪能させてもらいました。佐藤竹善
の歌声は当然として、サポートしているミュージシャンの技量も
凄いんですよ!!ちなみにこの収録されているライブはアコース
ティック編成で行われたんですが、最小限の編成なのにとても表
情豊かなライブアクト!!最初のアコースティックギターの音色
からして全然違う!!アコギが歌っていました。正直言って物凄
いグルーヴです。前2作がクラブというフロアが似合うアルバム
に仕上がっているとするならば、このアルバムは最初、バー・パ
ブでお酒を飲みながら、軽く身体を揺らしながら聞きたいな。と
思ったんですが、このアルバムを聞いていくうちに、この編成で
カフェで聞いてみたいなと。昼下がり太陽が優しく照らされてい
る中で、紅茶とクッキーを食べながら聞くとなんて至福のひとと
きなんだろうな、と思うんですが。