２００３年１０月〜１２月のレビュー

一言で言えば、驚いてしまいました。前作「ＭＥＴＡＢＯＬ
ＩＳＭ」で、かなりハードなロック路線になっていたので、
「ＭＥＴＡＢＯＬＩＳＭ」の路線を踏襲しつつ、かなりとん
がっていた部分を少しは分かりやすく、もしくは聞きやすく
するのかな？と思っていたら・・・。「ＭＥＴＡＢＯＬＩＳ
Ｍ」の路線を踏襲している曲もあるんだけど、全体的にめち
ゃめちゃ分かりやすくなっている。ある意味「ＭＥＴＡＢＯ
ＬＩＳＭ」ってなんだったの？と、思ってしまうくらいに。
違う意味で「ＭＥＴＡＢＯＬＩＳＭ」を、初めて聞いた時と
同じくらいの衝撃を受けてしまいました。でも、けして後ろ
に下がった訳じゃなく、バラエティーにとんだアルバムにな
っていると思います。ロックな「摩天楼の羊達」「Ｂｏｒｄ
ｅｒｌａｎｄ」ジャズテイストな「月への階段」もしかして
これってラップ！？と一瞬驚かされた「欲望」小谷美紗子と
のデュエット曲「星降らない夜」ＳＬＴ得意のバラード「Ｔ
ｈｅ　Ｌｏｖｅ　Ｗｅ　Ｍａｋｅ」「Ｈｅｌｌｏ」アッパー
なＲ＆Ｂ「Ｉｎ　Ｔｈｅ　Ｒｈｙｔｈｍ」いろんなジャンル
を網羅しているけれど、どの曲もクオリティーが高いポップ
スになっています。　　　　　　　　　　　　　　　　　　

いしのだなつよが中村一義のバックバンド１００’ｓと結成
したバンド。まさかバンドで復活するとは思っていませんで
した。いしのだなつよ名義でリリースされたアルバム「ひま
わり」から約５年。シングル「ｓａｎｄｇｌａｓｓ」から３
年ぶりのＣＤリリースだと思います。ともかく再びＣＤリリ
ースが出来る様になっただけでも感激物です。実はこのアル
バムを聞く前に、先にライブでｋｉｃｃａを見たので、大体
こんな感じになるんだろうな？という予想はできたんですけ
ど・・・。多分このアルバムを予備知識なしに聞いたとして
も、ここまでロックサウンドになっていたとは。イベントで
路上系スタイルでやったあの曲達が、こんな変貌をとげてい
るとは・・・。という感想を持ったと思います。ちなみに私
のおすすめは１曲目の「ハロー」という曲。これまでの自分
が歩んできた道を振り返り、そしてこれから踏み出す１歩に
対する決意表明と、とれる内容の歌詞がいしのだなつよ改め
石野田奈津代の挨拶代わりの曲になっています。ただ、レコ
ード会社リストラ後、いしのだなつよを追いかけた、見守っ
てきた人達にとっては、ある意味賛否両論なアルバムになっ
ているような気も・・・。新たな道を歩み始めた石野田奈津
代を、ｋｉｃｃａを私は応援していきたいと思います。　　

フルアルバムとしては２年ぶりのアルバム。今までのＲ＆Ｂ
とアコースティックを上手く融合させた形から、コンセプト
ミニアルバム「Ｆｏｒｋｙ　Ｓｏｕｌ」で、アコースティッ
クに焦点を合わせた作品を作った事によって、アコースティ
ック寄りに進路を取ったアルバムになったと思います。２ｎ
ｄアルバム「ａｌｍｏｓｔ　ｂｌｕｅｓ」では全体的に切な
い世界観だったのが、「ｆｒｕｉｔｓ＆ｒｏｏｔｓ」では優
しく温かい歌声とサウンドに包まれたような感じが、聞いて
いて癒されます。２ｎｄアルバムからの３作品は、冬にリリ
ースされたので、１番冬に似合うように作られた？アルバム
になっていると思うんだけど、「ｆｒｕｉｔｓ＆ｒｏｏｔｓ」
は、暑い季節にも合うアルバムになっていると思います。寒
いこの時期には、とても温かく感じられるのが、暑い季節に
このアルバムを聞くと、今度はこのアルバムから涼しさを感
じられる事が出来ると思います。　　　　　　　　　　　　

最初聞いた時、びっくりしてしまいました。あれ、歌謡曲の
ＣＤをレンタルしてきたのかと・・・？いわゆる、昭和歌謡
風だとか、歌謡曲のエッセンスを取り入れた作品ではなく、
どっからどう聞いても、いわゆる世間一般の人が想像するど
真ん中の歌謡曲。ＰＶで踊っている姿、振り付けもまさに、
歌謡曲な感じ。この曲、ＮＨＫの「歌謡コンサート」という
歌番組に出ても違和感なし！！私の親がこの曲聞いたらはま
るだろうな？と思っていたら、その通りになっちゃいました・・・。
サビのフレーズの「て、て、て、てとしゃん。さらに、てと
しゃん」という言葉もとても耳に残ります。ところでこの曲
は、完成したらこういう形になったのか、それとも２１世紀
の歌謡曲を狙って作ったらこうなったのか？もし後者であっ
たとしたら、私はこの人は、凄い人ではないかと。「もらい
泣き」の時は、元ちとせみたいな人が出てきた。としか思わ
なかったし、この曲が売れても「そーなの？」ぐらいにしか
思えなかったし、その後に出したシングルもそんなに印象に
残らなかったので・・・。この次、一青窈がどんな曲を世に
出すのか？個人的に要チェックです。最後に、いわゆる、ブ
レイクしてそれなりに名前がある人が、純度１００％の歌謡
曲をシングルとしてリリースした時点で、この人かっこいい！！
と思ってしまいました。そして名曲な所が！！　　　　　　

確かこの曲、ライブで見た時の感想は、おもくそ酷評した記
憶が・・・。期待していなかったし、個人的にＢ＠ＢＹ　Ｓ
ＯＵＬを押しているので、聞いたら・・・。じわりじわりと
この曲、いい曲だな、と。もう少し聞く耳を養っていかなけ
れば駄目だなと思いました。いつもは男勝りなラップをして
いるＵが、この曲では、切ない女の子の心情を、かわいくラ
ップをしているのがとても印象的です。カップリングの「ｔ
ｉｍｅ−ｌｅｓｓ　ｃｌｏｃｋ」曲の後半のＵのラップとＫ
ＯＺＵＥの歌声が絡み合っている所が聞いていて、とても気
持ちいいです。この２曲で１番驚いたのはＫＯＺＵＥってあ
んなに歌、上手かったけ？と、びっくりしてしまいました。
前２作はアッパーな曲だから持ち味を発揮できなかったから
かもしれないけど。透明感があって、歌声がスーと、抜ける
所は、上手いと思いました。これからも新曲が出るたびに、
新たな発見と驚きを、これからも与えてもらえそうな気がし
ます。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

Ｃｒｙｓｔａｌ　Ｋａｙ、４枚目のアルバム。前作「ａｌｍ
ｏｓｔ　ｓｅｖｅｎｔｅｅｎ」がオリコン初登場２位。その
後にリリースした３枚のシングルもオリコン初登場上位に食
い込むなど、デビューシングルから聞いていた人間からする
と、Ｃｒｙｓｔａｌ　Ｋａｙもトップアーティストになった
んだな〜と、ちょっと遠い目をしてしまいそう・・・。で、
このアルバム、今までのアルバムの中で１番ポップで聞きや
すいアルバムになっていると思います。売れた事によって大
多数に聞いてもらう事を前提にしたような・・・。曲のジャ
ンルも、１ｓｔアルバムはバラエティーに富んでいたのが、
アルバムを出す事によって、どんどんＲ＆Ｂに特化していっ
ている気がします。この「４ＲＥＡＬ」いわゆるＣｒｙｓｔ
ａｌ　Ｋａｙを初めて聞く人、もしくは初心者に、おすすめ
できるアルバムになっているんではないでしょうか？ただ、
流れ的にはある程度、覚悟はできてたんだけど、ＳＩＮＧ　
ＬＩＫＥ　ＴＡＬＫＩＮＧの佐藤竹善プロデュース曲がなく
なっているのが悲しかったです。秘かな楽しみだっただけに
・・・。前のアルバムからどんだけ、ボーカリストとして、
成長したかな？という１つの目安にしていたので・・・。そ
れ以上にびっくりしたのが浅田裕介プロデュース曲もなくな
っていたのには・・・。初期ＣＨＡＲＡが好きだっただけに
残念です。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

シングルのカップリング曲とアルバム曲を集めたセレクショ
ンアルバムになっています。デビュー曲「謎」がその後を示
す通り、まったくメディア、ライブには登場しておらず、は
っきりいってどんな方なのか、物凄く興味を惹かれるんです
が・・・。最近のシングル曲では、ダンスサウンドを取り入
れていますが、どんなジャンル、サウンドになろうとも、小
松未歩の歌声の存在感の方が勝っていると思います。個人的
に小松未歩の歌声、少年的でもあり、少女的な部分もある中
性的で、まったりしている感じの歌声の様に思います。いろ
んなジャンルがはやったりする中、小松未歩は、良い意味で
言えば、”ずっと変わらない”悪く言えば”マンネリ”のよ
うな気がします。ただ、刺激的な曲にあきてしまったり、い
ろんな事に疲れてしまったりなんかした時には、癒されるの
ではないか？と思います。これを機に小松未歩のオリジナル
アルバムを聞いてみるのもいいのでは？デビューアルバムか
ら自分の世界を持っているし、「雨が降る度に」という曲に
ある「１０年先も変わらずに　ずっといたいな」という事が
書かれている通り、良い意味でずっと変わらない様な気がし
ます。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

前作「桃の花ビラ」は、テクノと沖縄民謡を一つにした感じ
だったのが、今回の曲は、軽快なスカサウンドに乗せて恋人
と過ごした甘酸っぱい時間を可愛らしく表現しています。個
人的には、「桃の花ビラ」よりも「さくらんぼ」の方が、似
合っているような気がします。はじけた感じというんでしょ
うかね？この曲を聞いていると、久しぶりにガールポップと
いう言葉を思い出しました。もう本当に稀少価値ですからね。
ガールポップという言葉の響きと、ジャンル自体が・・・。
はっきり言って、今の段階ではなんとも言えないけれど、大
塚愛の作風が、「桃の花ビラ」よりも「さくらんぼ」みたい
な曲が主流であるなら、久々に感じたガールポップの逸材、
もしくは希望の星です！！　　　　　　　　　　　　　　　

脱退していたベースの、ジョン・Ｂ・チョッパー復帰１発目
の作品なんですが、１番最初何の知識もなしに聞いたら、青
春パンクバンドばりの青臭い詞。はしゃいで跳びまくってる
感じの若いバンド感。どんなバンド名だと思ったら、まさか
ウルフルズだったとは・・・。ここ最近の作品は、トータス
松本がソロでやってた曲のイメージもあるんだろうけど、大
人ぽいというか、哀愁を漂わせる感じのイメージを持ってい
たので。ジョン・Ｂ・チョッパー１人が帰ってくるだけで、
こんなにも、バンドサウンドの勢いが違ってくるとは・・・。
この曲で、ウルフルズはバンドサウンドの一体感を取り戻し、
また新たな名曲を手に入れたと思います。それにしてもこの
曲、いろんな意味で「ええねん」のような？　　　　　　　

こちらのアルバムが世界リリースとなったアルバム。日本盤
だけ、ボーナストラックが２曲あるんですが。「Ｂｏｙｆｒ
ｉｅｎｄ―Ｐａｒｔ２―」「Ｃａｎ’ｔ　ｂｅ　ｓｔｏｐｐ
ｅｄ」などの英語Ｖｅｒ．「ｔｉｍｅ　ａｆｔｅｒ　ｔｉｍ
ｅ」「ｏｖｅｒ　ｔｈｅ　ｒａｉｎｂｏｗ」のカバーの構成
になっています。個人的には「４ＲＥＡＬ」よりもおもしろ
いアルバムになったように思います。いろんなジャンルの歌
を歌う事によって、Ｃｒｙｓｔａｌ　Ｋａｙのいろんな魅力
を引き出しています。１ｓｔアルバム「Ｃ．Ｌ．Ｌ」となん
となく共通点があるような気も・・・？　　　　　　　　　
<

５曲入りのミニアルバム。それぞれ曲調が違う５曲（インス
ト、１曲）が収録されています。アルバムをリリースする度
に、歌詞の内容が、抽象的で密度が濃い感じになってきてい
る様に思えます。個人的には、「エースのスペード」とセシ
ル時代を彷佛とさせる「真面目な青年」がお気に入りです。
今の大人ぽく妖艶な世界観と、セシル時代の無邪気さが入り
交じったアルバムになっていると思います。