2005年7月〜8月のレビュー

タイトルの部分をアルバムは シングルはで表記してます)
安室奈美恵 「Queen of Hip−Pop」
まず最初に思った事が、”タイトルが素晴らしく良い!!”特に
”Hip−Pop”という所が。ある意味、割り切っているとい
うか。これが逆に”Hip−Hop”だったら、頭の中が「??
?」に、なっていたんでしょうけど。ある意味、タイトルだけで
お腹一杯になってしまいました。アルバムタイトルが、こんなに
素晴らしい!!と思ったのは、easten youthの「感
受性応答セヨ」以来です。(ちなみに、私のアルバムタイトルラ
ンキング第1位です)で、感想を一言で表わすならば、east
en youth同様、”アルバムタイトルが素晴らしいものは、
収録曲も良い曲ばかり!!”でした。12曲収録されているから、
1、2曲ぐらいは、「???」と思うのがあるだろうな。と思っ
ていたんですが、いわゆる捨て曲というのはなかったです。前作
「Style」の1曲目「Namie’s Style」を聞い
た時は、「安室がダンスホールレゲェーやっている」という認識
しかなかったんですが・・・。このアルバムで、いわゆるR&B
DIVAに完全になったと思います。安室奈美恵がやりたい事と
出来る事がイコールになったというか。”SUITE CHIC”
の時から、頑張ってほしいな。とは思っていたけど。日本の音楽
シーンのど真ん中を歩いていた人が、ここまで変貌を遂げるとは・・・。
スーパーモンキーズ時代、ユーロビート時代、そして小室プロデ
ュース時代から変わり過ぎです!!印象に残った曲と言えば、(
どの曲も良いんですけど)バックトラックのコーラスが聞いてい
てとても心地良かった「Wo Wa」ウイスパーボイスで歌い切
った「Free」L.L BROTHERSと共演した「My 
Daring」切ない歌声が印象的な「Ups&Downs」こ
のアルバムに収録されている曲のなかで、1番キャッチーな「I
 LOVE YOU」やっとDIVAとして、スタートラインに
立てた様な気がします。これからどの様に進化(深化)していく
のか?非常に楽しみです。ただ個人的に、もう少し歌声に特徴が
欲しい。透明な歌声にしても、エロイ歌声にしても、ウイスパー
ボイスにしても。けして悪い訳じゃないんだけど、”あと、もう
一押し欲しい!!”って感じなんで。最後に、ここ最近のDIV
A系アーティストは、ポップな方向に行くなかで、こういうコア
な(もしくはアンダーグラウンドな匂いがする)アルバムをリリー
スしてきた事に対して、凄い!!と思いました。(ただ、1番と
んがった事をしているのが、どうして安室なの?という思いも若
干ありますが・・・。)                  
三上ちさこ 「わたしはあなたの宇宙〜破壊編〜」
fra−foaが解散して、最初にリリースされたのが、三上
ちさこ公式ページ限定で販売されていた、「わたしはあなたの
宇宙」のリアレンジバージョン。と、言った方がいいのかな?
オリジナルバージョンは、打ち込みを多用した感じのサウンド
で、神々しい感じの歌声で歌っていたのが、このアルバムでは、
ロックサウンドで、激しく感情を叩き付ける様な感じで歌って
いる。サウンドも歌声の方も荒々しい。と言った方が正しいの
かもしれない。サウンドの方も、fra−foaよりも、突き
抜けている感じがするし。やっぱり三上ちさこは、こっちの方
があっているな。と思いました。             

(ちなみに、DVDに収録されているのは、2004年12/
8の心斎橋クラブクワトロでのライブ
だと思います。あくまで
多分ですが・・・。ほふく前進しているシーンも収録されてい
たら、1発で分かるんですが)              
azumi 「Kick up Kiss」
wyolicaのazumiがソロデビュー。公式サイトでの
所信表明みたいなもので、「ライブに行った事がある人なら知
っている、azumiの激しい部分が出ている作品になってい
ます」というコメントが載っていたので、期待をしていたんで
すが。個人的に。c/wの「Daring, I love 
you」の方を表題曲にした方が良かったのに、と思ってしま
いました。wyolicaではやらない様な(もしかしたら、
出来なくなった。と言った方が正しいのかも?)突き抜けたポ
ッポップチューンになっていると思うので。このシングル、曲
順を逆にしたら、聞いた印象も変わったと思うんですが・・・。
(はっきり言って、サウンドが、キラキラポップチューンにな
っただけで、あとは、wyolicaでやってた事と変わらな
いじゃないか。と)この流れを見ると、あと、2枚くらいシン
グルをリリースしたあと、その集大成として、アルバムをリリ
ースするんだろうけど、wyolicaでは見せないazum
iの魅力というものを見せてほしいです。         
The Do−Nuts 「渚のGo−Go−GIRL!!」
TUTAYAに行った時、たまたま見かけた宣伝文で、「or
ange rangeと同じインディーズレーベルでデビュー」
とかいうのを読んで、興味を持ちレンタルしてきた訳なんです
が。(ちなみに、The Do−Nutsは、高校生2人組ユ
ニットです)聞いた感想はというと、70年代ロックサウンド
にラップをしているという、いわゆるミクスチャースタイル。
ラップの方は、ちょっと未熟な感じがするんだけど、その分を
若さというか、上手く弾けた感じで補っていると思います。歌
とラップが大体半分くらいの割合だから、こんな風に思ったん
だけど、一言で言えば”PUFFYとHALCARIの良い所
取り”と言った方が早いですね。確か、HALCARI「タン
デム」を聞いた感想を”PUFFYのヒップホップバージョン”
と書いたと思うんだけど、まさか、こんな事をしてくるとは・
・・。(もしくは、こんな事が出来るとは)正直言って、とて
も面白いと思ったので、これからに期待したいと思います。 
Faith 「Love Song」
この曲でデビューした、Vo&RAPユニット。この手のユニ
ットにしては、珍しいのかな?クラブ系サウンドではなく、ク
ラシックのトラックで歌っていたり、ラップしています。(も
しかしたら、サンプリング物なのかな?)この手のユニットは、
(フィーチャリング物でもそうなんだけど)どちらか一方が前
に出た感じがしたり、とてもクドイという印象があるんですが、
この曲は2人の良さ、特色がとても出ていると思います。艶の
あるボーカル、低音だけどとても聴き取りやすいラップ。個人
的に、B@by Soul以外でも、こういうユニットがいた
んだ!!と、嬉しく思ってしまいました。         
ケツメイシ 「ケツメポリス4」
今や、シングルをリリースしたら、ロングヒット!!そしてこの
アルバム200万枚売れたみたいです。ひと昔前と違い、ミリオ
ンヒットする事さえ難しいなか、凄い事だと思います。同時期に
ブレイクした、KICK THE CAN CREW・RIP 
SLYMEと比較して、この2組になくて、ケツメイシにあるも
のと言えば、やはり、Vo.のRYOJIの存在だと思います。
歌声もさることながら、あのメロディーは、つぼにはまってしま
うというか、心の琴線に触れられてしまうというか。ケツメイシ
がリリースする曲がロングヒットする一つの要因だと思います。
で、このアルバムを聞いた感想は、とても聞きやすいというか、
ある意味ポップソングになっている感じがします。初期の頃は、
ヒップホップとレゲェを上手く重ね合わせている、という印象な
んですが。あと、RYOJIのパートの比率が高い感じがします。
(だから聞きやすいという印象を抱いたんだろうけど)あと、ド
ライブしている時に聞いたら気持ちよさそうだな。とも思いまし
た。個人的にちょっと気になったのは、「上がる」「ケツメンサ
ンバ」「三十路ボンバイエ」「上がる」は、ダンスホールレゲェ
ーな所が。「ケツメンサンバ」は、某”マ●●ンサンボ”を上手
くコラージュした所が。「三十路ボンバイエ」は、ケツメイシに
しては、めずらしいロックトラックで、三十路に対する切なさみ
たいな所。特にRYOのリリックが・・・。         
GOING UNDERGROUND 「きらり」
ある夏の日に好きな人が出来たんだけど、想いを伝えられない
まま、振られてしまった。(他の人と恋人になった)という歌
詞を切ないメロディー、サウンドに乗せて歌っています。好き
な人に対して、想いを伝えられないもどかしさみたいなものを
感じます。目を閉じると自分がそこにいるかの様な感じがしま
す。「トワイライト」以降、”どうしたんだ、GOING”み
たいな感じのシングルが連発していたんですが、前作「STA
ND BY ME」から、再び輝きを取り戻した感じがします。
前にも書いた気がするんだけど、このバンドにはSMILEみ
たいにはなってほしくない!!という気持ちが非常に強いです
!!こんなに歌詞、曲、サウンドと素晴らしいのに・・・。日
本の音楽シーンの中心で輝いてほしいです。        
浅田信一 「モアベター・スマイル」
惜しくも、2004年11/20渋谷AXにて解散したSMI
LEのVo.の浅田信一が、SMILEの曲をセルフカバー。
正直言って、1曲目の「クラゲ」でノックアウトされちゃいま
した・・・。よく、あの歌、あのアーティストの曲を聞くと、
あの頃の気持ちに戻ってしまう。というのを、聞いた事がある
んだけど、私にとって、そういう気持ちになってしまうアーテ
ィストは、この人なのかもしれない。どの曲聞いても、甘酸っ
ぱい気持ちになってしまうというか。私にとって、この人の歌
声、メロディーがとてもツボにはまっている。と言った方が正
しいのかもしれない。お気に入りの曲は、デビュー曲にして、
代表曲でもある「明日の行方」を大胆にストリングスアレンジ
にしたのと、な、なんと、あのCHEMISTRYの堂珍嘉邦
(どうやらSMILEのファンだったみたいで)とデュエット
した「IN EVERY PLACE」弾き語りの(2分16
秒)の待ちぼうけ。はっきり言って、どの曲聞いても、私の胸
に浅田節が突き刺さってきます。ただ、これで「大切な人」が
収録されていれば、文句無しだったんですけど。      
湯川潮音 「緑のマーチ」
天使の歌声と言われている人みたいなんですが、聞いた感想は
というと、とてもオルタナティブなものを感じてしまいました。
くるりの岸田聡・ハナレグミに絶賛されているというのは知っ
ていたので、とてもポップなものを思い浮かべていたんですが
・・・。意表を突かれました。ある意味、カウンターミュージ
ックなのかな?                     
大塚愛 「ネコに風船」
ネコの目線から世間を見ているような、もしくは愛を訴えてい
るような歌詞をアコースティックサウンドに乗せて歌っている
という感じの曲かな?「桃ノ花ビラ」と通ずるような不思議系
ポップって感じ。面白いタイプの曲だと思うけど、良くも悪く
も安定感みたいなものを感じてしました。もうちょっとサウン
ド的に冒険しても良かった気がするけど・・・。歌詞が面白い
感じだっただけに、ちょっと残念に思いました。      
     
トラビット 「Summer Time」
これは褒め言葉になっていないかもしれないけど、ヒップホッ
プを聞いて、こんなにも青臭いと思ったのは初めてでした。思
春期特有のもどかしさと言えばいいんでしょうか?そんな物を
感じてしまいました。どうしてこんな事を感じてしまったんだ
ろうか?と思ったら、まだ10代だったみたいで・・・。10
代でしか表現できない事もあるので頑張ってほしいとは思うん
ですが。個人的には、まだDISとか覚えないで欲しいな、と
思ってしまいました。                  
ZAZEN      「HIMITSUGIRL’S   
      BOYS          TOP SECRET」
アヒトイナザワ脱退後、初のシングル。(一般流通でも初めて
のシングルリリース)よりエキセントリックというんでしょう
か?そっちの方向に舵を向けたような気がします。個人的に3
曲目の「HENTAI TERMINATED」が非常に面白
かった。腹を抱えてしまうくらいに。1番印象的だったのが、
「USODARAKE」のリテイクバージョン。アヒトイナザ
ワと新ドラマ−松下敦の違いが浮き彫りになった感じがします。
アヒトイナザワのドラムは手数が多いという印象があるんです
が、松下敦のドラムは1発1発が重そうな感じの音でした。そ
れに合わせてバンド自体の音も変わっていっている感じがする
し。メンバー1人が変わるだけで、こんなにも音が変わるもの
だとは思いませんでした。                
B@by Soul 「A Life Trip」
前作「everlastin’ tracks」から1年半ぶ
りの2ndアルバム。はっきり言って「everlastin’
 tracks」リリース後、まったくCDをリリースしてい
なかったんで、もしかして契約打ち切りになっちゃったのかな?
と、心配していたんですが、どうやらその間は、アルバムの製
作をしていたり、全国各地のクラブイベントに出演していたみ
たいで。このアルバムは、12星座にインスパイアされて製作
されたコンセプトアルバムみたいです。私の星座が牡羊座なの
で、牡羊座の曲「Jast Go!」が1番気になったのです
が、見事に歌詞が牡羊座の特徴を描いた曲だったので、びっく
りしてしまいました。全体的な事を言うとしたら、サウンドが、
「everlastin’ tracks」よりポップな方向
になっていると思います。個人的に好きな曲は、「MOTHE
RHOOD」「always」「キミイロ feat.音戯」
「A Life Trip」のラスト4曲と、「eterna
l triangle」ラスト4曲の方は、Vo.のKOZU
Eの母性を感じる歌声が良かったです。優しく包み込むような
感じの。と言えばいいのかな?「eternal trian
gle」は、1人の男を取り合う女2人のバトル、情念を感じ
させる曲です。ラップと歌でやっているんだけど、いわゆるM
Cバトルみたいなものを彷佛とさせる訳で。大体ヒップホップ、
R&Bというのは、どれだけ聞いた時にインパクトを与えられ
るかが、ある意味勝負所だと思うんだけど、その点からいうと、
今回のアルバムはインパクトみたいなものは感じられませんで
した。ただ、聞けば聞くほど味が出て来る感じがして、気がつ
けばヘビーローテションになっていました。こういう系統のア
ルバムで、聞けば聞くほど味が出て来るタイプというのは珍し
いんじゃないでしょうか?もう1つ思った事は、「everl
astin’ tracks」でも思った事なんだけど、KO
ZUEは、ソロパートよりもコーラスの方に力を入れている気
が?後半は、存在感バツグンだったんだけど、最初の4曲ぐら
いまでは、ほとんどRAPのUのソロみたいな状況になってい
たので。個人的にVo.&RAPユニットの中でB@by S
oulはダントツの実力を持っていると思うので頑張っていっ
てほしいです。