2005年11月〜12月のレビュー

(タイトルの部分をアルバムは シングルは        
       ライブ会場&公式ページ限定はで表記してます)
加藤いづみ 「”slow”05’ yokohama」
加藤いづみのライブアルバム第2集。今回も、加藤いづみ公式H
P&ライブ会場限定での販売です。今回は7/16の横浜赤レン
ガ倉庫でのライブを収録。(ちなみに、このライブが加藤いづみ
独身最後のライブ)前のライブアルバムを聞いた時の感想でも、
こんな事を書いた記憶があるんだけど、前半は、相変わらず不安
定な歌声なんだけど、曲数を重ねる事に、情感たっぷりの素敵な
歌声を聞かせてくれます。個人的に好きなのは、ボサノバな感じ
の「slow love」聞いていると、とても甘酸っぱい気持
ちになる、「JOYRIDE」加藤いづみにとっての、新たな名
バラードナンバー「桜を待つ丘で」あと、嬉しかったのは、「カ
ンパリソーダと7号線」が収録されている事でしょうか?まさか、
ライブでやるとは思っていなかった曲だったので。「星になった
涙」「一番高い電信柱で」という初期の頃の曲も(ライブであん
まりやらなそうな)収録されているのが、1ファンとして嬉しい
限りです。ただ、このアルバムに不満点があるとすれば、もう少
し収録曲増やしてもよかったのでは?いわゆるファンアイテムと
して割り切るのならば、もう少し満足感が欲しい内容にしてほし
かったです。(ベストテイクがこれだけだった。と言われればそ
れまでですが・・・。)                  
                             
(1/25現在、加藤いづみ公式HPで販売しています)   
ZAZEN    「MATSURI SESSYON     
   BOYS         LIVE AT YAON」
こちらもライブアルバム第2集。8/28の日比谷公園屋外大音
楽堂でのライブを収録。まず思った事は、向井秀徳がよりエキセ
ントリックになった事。ラップにしても、MCにしても、シャウ
トにしても。そして、ドラムがチェンジした事によって、サウン
ドがよりヘビーな感じになった事。このライブアルバムの1番の
売りは、1/18にリリースされる「ZAZEN BOYS III」
には収録されない「感覚的にNG」という曲。この曲を初めて聞
いたのは、8月のライブだったんだけど、感想はというと、その
時とまったく変わらないものでした。いわゆる初期NUMBER
 GIRLを彷佛とさせるギターロックに、隠し味としてZAZ
EN BOYSの”蘇る性的衝動”を入れたみたいな。アルバム
に入れなかった最大の要因は、”この曲だけ浮いてしまう”とい
う所なんでしょうけど。ちなみに個人的な聞き所は、1枚目の(
このライブアルバムは2枚組です)最初の曲「SIGEKI」に
行く前の、ベースの日向秀和のソロプレイ。めちゃめちゃかっこ
いいです!!                       
                             
     (現在は販売終了したみたいです)        
BoA 「抱きしめる」
シングル「QUINCY」以降、アダルトでセクシー路線を歩
んでいる様に思います。やっとMondo Glosso、m
−floにフィーチャーされた事が、ここに来てようやく自分
自身にフィードバックされはじめていると。この曲は、ファン
クをベースにしたディスコ調の曲。めちゃめちゃ尖っている感
じが好きです。あと、曲の中盤の間奏でBoAが、セリフを言
っているんだけど、セリフを言っている内容、声のトーンが、
大人の女性を彷佛とさせる感じ。BoAも、もうすぐ二十歳な
んだな。と思ってしまった訳で。「QUINCY」以降の展開
は、私好みという点を除いても、非常にいい感じではないでし
ょうか。これが本来BoAがやりたかった事なんだろうな。と
も思いました。                     
安室奈美恵 「White rite」
この曲を聞いて、安室奈美恵は完璧に”R&BDIVA”にな
ったな。と思いました。この曲は、ミディアムテンポのR&B
ナンバーなんだけど、とてもムーディーでいて、クリスマスを
待ちわびている感じが上手く出ていると思います。それでいて、
とてもソウルフルなものを感じます。小室プロデュースの時か
ら、安室奈美恵の歌(歌声)を聞いているんだけど、人の歌声
って、ここまで変われるものなのか!!と思ってしまいました。
(本人の努力の結果。という点を差し引いても)      
古内東子 「コートを買って」
かつて「OLの教祖」だったっけ?そんな風に呼ばれていた記
憶があるんですが。私が思う古内東子のイメージは、ソウルフ
ルなバラードを歌うアーティスト。というイメージがあるんで
すが、この曲、聞いてビックリ!!アップテンポなハウスチュ
ーンじゃないですか!!バラードを聞きたくてCDをレンタル
してきたので、ある意味拍子抜けしちゃったんですが・・・。
ただ、どんなに曲調、テンポが変わっても、切ない女心をソウ
ルフルに歌っている所は相変わらずだな。と思いましたが。そ
れにしても、この人の歌声は、そこら辺のDIVA系が霞んで
しまう程、ソウルフルだなと。              
ACIDMAN 「world sympony」
イントロを聞いた瞬間、”久々にACIDMAN弾けているな!!”
と。ここ最近のスロー、ミディアムテンポ路線の試行錯誤な感
じを吹き飛ばす様な、ど真ん中のオルタナチューン!!ところ
で、これは私の気のせいなんでしょうか?久々に聞いたからか
もしれないけど、ACIDMANが奏でるサウンドが、とても
スケールが大きい様に感じられます。こういう曲を聞かせてく
れると、”試行錯誤していた様な曲達をリリースしてきた事は、
無駄じゃなかったんだな”と思う訳なんですが。     
加藤ミリヤ 「Rose」
加藤ミリヤの1stアルバム。デビュー当時”ポスト宇多田ヒ
カル”と言われていた事を懐かしく思ってしまいました。それ
にしても、この人の今までリリースしてきたシングルを見てい
ると、”キャッチコピーをつけるの簡単だな〜”と。1stシ
ングルの「Never let go」のc/wの「夜空」は、
ブッダブランドの「人間発電所」をサンプリング。3rdシン
グルの「Dear.ロンリーガール」は、ECDの「ロンリー
ガール」のアンサーソング。そして4stシングルの「ジョウ
ネツ」は、UAの「情熱」をサンプリング。この人のファン層
って、極端に言えば9割が同世代のミドルティーンで、残りの
1割がヒップホップ、R&B好きな好事家なんでしょうか?(
私は1割の方です)アルバムの内容は、思春期特有の恋愛感情、
切ない心情、揺れる想いを描いた作品の様に思います。あと、
歌声が上手く歌っている部分と、ちょっと幼い。もしくは未熟
な部分が。その差がちょっと大きいかな。あと、もう少しソウ
ルフルなものが欲しい。ただ、このアルバムを聞いた限りでは、
下手にネタを使わなくてもいいのでは?もっと、シングルで直
球を投げてもいいのでは?と思いました。個人的にお気に入り
なのは、アップテンポな「Don’t stop!」しっとり
した感じの「RIDE wit u」ジャズテイストな「永遠
の声」個人的に2ndシングル「Beautiful」のc/
w「AT THE PARTY」を収録してほしかった。この
曲を聞いた時、ミドルティーンの女の子達はどんな反応をする
んだろうか?と思ってしまったので。           
HALCALI 「Tip Taps Tip」
HALCALIソニーレーベル第1弾シングルは、はっきり言
って歌ものになっちゃています。OTF(RIPSLYMEの
RYO−Z、DJ FUMIYA)プロデュースを、離れてか
らいろんな事にチャレンジしている様に見えるんですが。実は
この曲、ライブイベントで聞いた事があるんですが、その時は
HALCALIの2人が作詞を手掛けたと思ったんですが、作
詞のクレジットを見てビックリ。この曲の作詞はB@by S
oulのUじゃないですか!!Uにとっても、作詞提供をした
のは、これが初めてなのでは!?ライブイベントで聞いた限り
では、思春期特有の・・・。という印象しかなかったんですが、
ちゃんと聞いてみると、Uらしい歌詞という感じがしました。
悩みながらも前に突き進んでいく。みたいな。あと、ライムフ
ロウが、Uらしいな。(聞いていて心地良いというか)それと、
いつもならRIPSLYMEっぽい感じのラップのHALCA
LIが、この曲のRAP部分はまるで、Uがラップをやってい
るかの様な(滑舌がしっかりしている)感じになっている事に
びっくりしました。ある意味、HALCALIにとっても新境
地な曲だったし、Uにとっても一つの転機になった作詞提供に
なったのでは?(KOZUEの方も、SEAMOのアルバムに
1曲、フィーチャリングボーカルとして参加していたし)両者
にとって、実りのある曲になったと思います。       
azumi 「Slowflake」
wyolicaのazumiソロ第2弾シングル。一言で言えば、
「こういう曲を、wyolicaでもやってくれよ!!」という
感じのアッパーな感じになっています。前作「kick up 
Kiss」は、”この曲、ソロになってまでやる曲か?”と思っ
てしまったんだけど・・・。良い意味で、”wyolicaのa
zumi”を脱ぎ捨てて、”1人のソロシンガー、azumi”
になっているんじゃないでしょうか?聞いていてウキウキすると
いうか。ここまでwyolicaを吹っ切ってしまうとは思いま
せんでした。wyolicaの時は、一言一言に、心を込めて歌
っているソウルシンガーとすれば、ソロの時は、そんな堅苦しい
事は抜きにして、針をポップの方に振り切っちゃっている感じが
します。”wyolicaのazumi”は、R&BDIVAだ
とすれば、”ソロシンガーazumi”は、まるでGIRLPO
Pシンガーになっています。1番最初にも書いたけど、本当にw
yolicaでも、こういう曲やってほしんだけどな〜。(so
−toは、こういう弾けたアップテンポな曲は書けなさそう)最
後に、wyolicaでもそういうイメージがあるんですが、ソ
ロでもめちゃめちゃ強いですね。冬という季節が。      
レミオロメン 「粉雪」
レミオロメンは下手に尖った事をせずに、ポップに、素直な感情
を表現すれば、名曲ができるだな。と改めて実感しました。この
曲は、粉雪舞う季節に、ふとつき合っていた恋人の事を思い出し
てしまう。という切ない歌詞を情感たっぷりで歌っています。い
ろんな思い出が、いつか雪の様に溶けてしまう。というもどかし
さみたいな物を感じました。良い曲だと思うんだけど、「3月9
日」と比べてしまうと・・・。個人的に、この曲ストリングス入
れなければもっと良い出来になったはず。と思ってしまったんで
すが。3ピースで勝負して欲しかった・・・。ちなみに、この曲
のc/wは、「3月9日」のストリングスVer.なんですが、
物凄く淡々と歌っているのに驚いてしまいました。もっと、壮大
な愛の歌っぽくなると思っていたんですが。         
久嶋美さち 「Missing You」
この曲でデビュー曲。とても情念的なんだけど、透明感がある歌
声。サウンドはオルタナティブ。なんかCoccoみたいだな。
と思ったら、Coccoのプロデュースをしていた根岸孝旨プロ
デュースみたいで。今、こういう情念系アーティストがあんまり
いないんで、とても新鮮に感じられました。個人的に期待してい
るので頑張って欲しいです。                
大塚愛 「LOVE COOK」
大塚愛の3rdアルバム。約1年ぶりかな?全体的にしっとりと
したアルバムに仕上がっている様に思います。アップテンポな曲
もあるんだけど。印象に残ったのは、グランジというかエモコア
風な、「5:09 a.m.」サビの部分が、ちょっとだけ「桃
ノ花ビラ」を彷佛とさせる感じだった「U−ボード」久しぶりの
スカナンバー「東京ミッドナイト」個人的に、とても名曲だと思
います。(特にサビの歌詞が)「SMILY」そして、1番良か
ったと思ったのが、1stアルバム「LOVE PUNCH」に
収録されている「石川大阪友好条約」を彷佛とさせる様なラップ
調の曲「ラーメン3分クッキング」ジャズテイストのサウンドに
乗せてラップ?をしているんですけど、歌詞がとてもユニークで
面白い!!フレーズがとても印象的で耳に残る。そして、きちん
と3分で曲を終わらしている所がきちんとしているな、と。この
アルバムの中では1番異端な曲だと思うんだけど、1番ポップな
曲の様に思いました。                   
NUMBER  「OMOIDE IN           
    GIRL    MY HEAD 4 珍      
              NG&RARE TRACKS」
NUMBER GIRLのOMOIDE IN MY HEAD
プロジェクト最終章は、未発表音源、ボツテイク、コンピレーシ
ョンアルバムに参加した曲、そして、超初期の音源を収録した2
枚組アルバム。最初は、とてもつたないんだけど、メロディーが
とても綺麗なギターロックから、やがてオルタナティブな色彩を
増し、最終的には、ヒップホップ、Dub、祭囃子の要素を飲み
込んでとんでもないバンドに成長した姿が見事に描かれている様
に思います。このアルバムを聞いて思った事なんだけど、メジャ
ーデビューシングル「透明少女」で、バンドとして一つの完成系
に到達した様に思います。1番印象的だったのがDisc1の「
IKASAMA LOVE」この曲って、NUMBER GIR
Lの時からあったんですね。それも、メジャーデビューした頃に。
あと、Disc2の「真っ昼間ガール」このCDに収録されてい
るのは、田淵ひさ子が歌っているバージョンなんですが、歌声が
とても可愛いらしい。そう言えばDVD「騒やかな演奏」(DV
D版)の方のボーナストラックで歌っていたのを思い出しました。
この2枚組アルバムを聞いて改めて思った事なんですが、NUM
BER GIRLって凄いバンドだったんだな!!と。バンドに
対して、ロックに対して物凄くストイックだったんだと。そのス
トイックさが行く所まで行ってしまったので解散という道を選ん
でしまったのかな?とも思ってしまった訳なんですが。