THA BLUE HERB        
”THA BLUE HERB「LIFE STORY」   
           RELEASE TOUR”ライブレポ
ようやくTHA BLUE HERBのライブを観に行く事が出
来ました。3rdアルバム「LIFE STORY」のリリース
パティーツアーをやるんだろうな。とは思っていたんですが、ど
うせクラブツアーだから、行くとしたらわざわざ深夜のクラブに
行かないと観る事が出来ない。行きたいけどそんな時間まで起き
ている自信がない。という事ではっきり言ってあきらめていたん
ですが、たまたま立ち読みした「ぴあ」「LIFE STOR
Y」
のリリースパーティーライブ、心斎橋クラブクアトロでやる
という記事を読んだ時、思わず心の中でガッツポーズしちゃいま
したよ!!”これだったら観に行ける”と。THA BLUE 
HERBにはまったのはトラックメーカーのO.N.Oが作り出
すヒップホップにしては異様な音の世界にでした。しばらくする
とMCのILL−BOSSTINOのリリックが耳の中に飛び込
み、それが離れなくなってしまったんですが。で、私がヒップホ
ップのライブを観に行くのはいつ以来だ!?こないだのBENN
IE Kのライブ?
それとも「MINAMI WHEEL」以来?
それともケツメイシのワンマンライブまで遡るんですか?どうな
んでしょう?これは私自身も判断できない・・・。ただ1つ言え
る事があるとするならば、私まだ一度もハードコアヒップホップ
のライブを観た事ないんですね・・・。まさかハードコアヒップ
ホップの洗礼を受けないまま、アンダーグラウンドヒップホップ
の雄のライブを観に行く事になるとは・・・。        

今回のライブの整理番号は8番。早い番号なんですが、どうせイ
ベンター先行があるから、実質200番くらいかな?と思ってい
たらリアルに8番じゃないですか、びっくり!!クアトロでこん
なに早く入ったのって本当に久しぶりです!!コインロッカーに
荷物を預けに行き、ドリンクカウンターでターキーソーダを頼ん
で帰ってきても最前列真ん中ちょい左をGET出来たんですから。
というより、初BLUE HERBライブなのに最前列にいてい
いのか?と普通に思ってしまった訳なんですが。       

まず最初は、DJ DYEだけが出てきてPLAYをした後、い
よいよILL−BOSSTINOが登場して、THA BLUE
 HERBのライブを体感する事に。で、登場してきた時にBO
SSの方に手を差し向けたら、BOSSが私の手をグーで叩いて
くれたじゃないですか!!これだけで最前列にいて正解だったと
思いましたよ!!1曲目は「THE ALERT」2曲目が「R
UN 2 YOU」
まず最初に思った事は最前列にいたからかも
しれないんですが熱量が凄い!!吐き出す言葉に全精力を傾けて
いる感じがしました。その後、簡単な挨拶をした後、「PHAN
E3」
を。この感じだと「LIFE STORY」に収録されて
いる曲しかやらないのかな?と思ったら、「北風」とか「雨ニモ
負ケズ」
とかの初期の曲もライブでやっていました。今日のライ
ブで1番びっくりした事はBOSSがとても礼儀正しい人だった
事でした。正直MCとかは、もう少しヒップホップ(なステレオ
タイプを)している感じなのかな?と思っていたので。あと、「
同業者に対しては厳しいが同士には礼儀正しい」と言っていたの
が印象的でした。「SUPA STUPID」をやった後のMC
がとても印象的でした。「俺はそこらへんのMCと違って綺麗事
だけしか言わない奴じゃない。何をやっていくにもお金は必要だ。
確かにお金では買えない物はいろいろある。だけど、お金がない
と買えない物もある。雨凌ぐためにはお金が必要だし、喰ってい
くためにはお金が必要だ。だから俺は、生活していくために日々
苦労している奴に対してリスペクトをしている」と。その後の言
葉がグサっと心に突き刺さってしまいました。「俺がヒップホッ
プをやっている理由は2つある。1つは生活を廻していくため。
もう1つはロック、ハウス、テクノ、レゲェー、パンク、ハード
コアがグッドミュージックだと言われ、ヒップホップだけが今だ
にガキのおもちゃ程度にしか思われていない、ヤバイミュージッ
クジャンキーにヒップホップにもやばい奴がいるって事を知らし
めたい。だから俺達はヒップホップの看板を下ろさないぜ」と。
その後「俺は良い車に乗るためにヒップホップをやっているんじ
ゃない。良いシャンパンを飲むためにヒップホップをやっている
んじゃない。良い女とやるためにヒップホップをやっているんじ
ゃない。俺は何億という言葉を吐いてきたが、まだ皆の人生に影
響を与える様な言葉はまだ言えていない。少しでもいいから皆の
人生に影響を与える言葉を言いたいからヒップホップをやってい
る」と言った後に「”HIP HOP番外地”へようこそ」と。
この曲「LIFE STORY」の中で1番好きな曲なんです。
タイトルからして好きなんですけど。この言葉はTHA BLU
E HERBを初めて体感した「FRONT ACT CD」
聴いた時からずっと思っていた事でした。”ヒップホップにして
はとても異端なトラック”だと。まさかここに来て、こんなタイ
トルの曲をやるとは・・・。「ON THE CORNER」
やった後、BOSSは一旦ステージを降り、再びDJ DYEの
DJTIME。本当にO.N.Oの作り出すトラックは浮遊感が
ある感じがします。そして、その後再びBOSSがステージに現
れた後、「WE MUST LEARN」「TENDERY」
の曲が今日のライブで1番良かった。BOSS特有のポエトリー
リーディングな感じのライムが。思わず魅入って聞いていました。
個人的にちょっとびっくりしたのが、「この夜だけは」の時の言
葉、ベイサイド(ジェニー)や、MATHER HALLは無
くなってしまったけど、俺達は後ろを振り返らない。この夜だけ
は」
みたいな事を言っていました。大阪のライブハウスを気に入
ってくれていたんだと思い、ちょっと嬉しかったです。そして
THE WAY HOPE GOES」「未来は俺らの手の中」

この曲は確かブルーハーツトリュビュートのために書き下ろした
曲。(あまりにも原曲から離れすぎて収録されなかったけど。け
れど名曲です)「MAINLINE」「MOTIVATION」
が終わった後、これでライブが終了だと思ったんですが、BOS
Sが「ライブが始まった時は喋りたい事がたくさん(手を広げて)
あるんだが、ライブをしていくうちに段々言いたい言葉がなくな
ってきていって、今はほとんどない。だけどまだ少しだけ喋りた
い事があるので、あと1曲だけやらせてもらう」と言った後、
ROADS OF UNDERGROUND」
を。この曲が終わ
った後、BOSSが「本当に良いVIBESをありがとう。今ま
で北見、名古屋、そしてこことやってきたんだけど、違うのは言
葉だけであとは伝わってくるVIBESは同じなんだ」と。あと
「次は大阪からのヤバイ音を待っている」と。そしてBOSSに
手を差し向けたらBOSSが私の手を叩いてくれたじゃないです
か!!そして最後にオーディエンス達と記念撮影をしてライブが
終了しました。                      

ライブが終わった後、荷物を取りにコインロッカーに向かったん
ですが、そこで驚愕の事実が判明してしまいました。大体こうい
うヒップホップのライブって、大概B−BOYという人達がいる
訳なんですが、B−BOYをまったく見かけなかった・・・。 

まずはやっと観る事が出来たTHA BLUE HERBのライ
ブを堪能する事が出来ました。そのTHA BLUE HEAB
のライブ。まず1番最初に思った事は、いわゆるヒップホップ特
有のパーティー感と言うんですが?そういうのが一切感じられな
かった。ヒップホップ特有の「Say Ho!!」というアジテー
ションも一切なかったし。THA BLUE HERBの言葉と
O.N.Oが作り出したトラックだけで勝負という感じがして、
とてもヒリヒリとしたライブアクトでした。あとTHA BLU
E HERBのファンはヒップホップを好んで聞いている人達よ
りも、むしろロック、ハードコア系統を好んで聞いている人達の
方が多い。という風に聞くんですが、その意味が良く分かりまし
た。ロックバンドがストイックに自分達だけのオリジナルの音を
作り出すかの様に、THA BLUE HERBもストイックに
自分達にしかできないヒップホップを表現しているからなんだろ
うなと。それを証明するかの様に、さっきも書いた通りB−BO
Yをまったく見かけなかった(B−BOYなんだけど、この日は
チャラチャラした格好をしてこなかった可能性もありますが)事
がそれを証明していると思います。個人的には「路上」「a s
weet little Dis」「サイの角をただひたすら歩
め」
あたりが聞きたかったんですが、これはTHA BLUE 
HERBがネクストステージに駒を進めたので、もう聞く事が出
来ないのかな?個人的にTHA BLUE HERBの言葉で1
番印象に残った言葉は”グッドミュージックジャンキー”という
言葉。今まで”私はどうしてこんなにもボーダレスにいろんなジ
ャンルの音楽を好きになってしまうのだ!?”と思ってしまった
んですが、これから”何が好きなん!?”という言葉が飛んでき
た時には”私はグッドミュージックジャンキー”という言葉を返
そうと思います。最後に、こんなにも早い時間にライブをやって
いただきありがとうございますm(_ _)m本当なら私がクラ
ブまで行って、THA BLUE HERBの世界に足を踏み入
れなければいけなかったのに・・・。次は私が深夜のクラブに足
を踏み入れてTHA BLUE HERBの世界に入ろうと思い
ます。そして堪能させて頂きました!!「日本語RAPではない
 日本の北のHIPHOP」
を!!